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2022年03月31日

世界ふしぎ発見のMAについて、その7

いやーーー、あまりにも時間があきすぎてしまってどこまで話したか、何を話していいかわからず、過去の自分のブログを読み返すという無駄な時間を費やしてしまってます、、、反省。

 

と、全然関係ないことから、、、

最近(何十年ぶり)レコードプレーヤーを購入しまして、古いものや新しいものを聞いているのですが

(今、このブログを書いている時も、70年代位のレコードを聞きつつ、パチパチ入力してます)

ミキサーという肩書きを背負って、年月だけは重ねて、何十年かぶりにレコードを聞くと、あらためてアナログの音は、、、

、、、いいですね!音圧がすごい!音像が明瞭!体全体を音で包んでくれます!

(昔のMAのミックスは結構楽だったんだなーと、その部分では思いました。最近の曲は、BGMにしたり、しっかり聞かせる時など、少し難しいものが多いように思いますので)

自分は、アナログとデジタルの狭間を経験したミキサーとして、どちらも肯定してきたつもりですが、レコードから出てきた音は、ちょっと衝撃的でした。私にエネルギーを与えてくれます。(耳への栄養補給!)

 

さて今回は、

ナレーションの処理について話していこうと思います。

 

といっても、はっきり言って、ナレーションの良し悪しは、

ナレーターさんのコンディションでほぼ決まります。(元もこうもない)

なので、そのパフォーマンスを最大限に発揮していただくよういろいろな事前準備をします。

どのようなことをしているかはこちらを!

 

収録中は、めちゃくちゃフェーダーでレベル調整をします。

いわゆる手コンプと言われるものです。古い人間なので、事前にできることはやっておく!

読み手の息遣いと間の取り方で次の発音のレベルを先読みして収録していくのですが、それが決まるとそのあと作業が各段に楽になる、

これが失敗した時は、後処理にかかる時間が違ってくるので、真剣勝負です!

(ナレーターさんの感情の出し方がどうくるのか、ミキサーが思う感情のレベルの整合性の勝負!です!

、は?   よくわかんないですね)

あとは、失敗した時(歪んだ時など)に録り直しのお願いをスムースにできるか

(信頼関係があればお願いできるかなー、なので、事前準備が重要、、、なのか?)

 

収録後の処理は、基本的な考え方は同録の整音と同じなので、同じ行程になります。

 

まず、収録した時のアナブース独特の音の除去

リップノイズなどの除去(この処理は、iZotope RXのおかげで格段に楽になりました)

まず、本来なくてもいいクリーンな状態にする。

 

そして、レベルの微調整(均一化)のためにコンプレッサーをかけます。

(決して、同じレベルにすればいいということではありませんが、レベルの大小の幅を狭めます)

なぜ狭めなければいけないかはこちらを!

 

その後、イコライザーで基音や倍音の調整、

抜け感が足りないと思ったら倍音の付加(私はwavesのRVoxをうっすらかけます)

逆に、高域にパワーがありすぎる場合は、ディエッサーをインサート

これらの処理は、トラックにプラグインをインサートする方法をとります。

(iZotope RXのでのノイズ除去処理は、AudioSuiteで部分的に行います。過度に処理されないよう、トラックにインサートする方法は、ほぼとりません)

そして、基本的にAVID純正のプラグインを使います。

(いろいろなスタジオにそのままProToolsのセッションデータを持っていくので、再現性を重視するため)

参考になるかわかりませんが、あるプロジェクトのプラグインの写真です。

 

私のナレーションへの音質処理のモットーはとにかくナチュラルに!

ナレーターの方の声をそのままに伝えたいと思っているので、

ナレーションの後処理のことをたくさん話そうと思ってスタートしたのですが、あれ?

 

おまけで、ふしぎ発見ならではの声のミックスの話を、

ふしぎ発見は海外の取材ものが多いので、現地の方のインタビューなどをボイスオーバー(原音を生かしながら、日本語を被せる方法)という形で見ている人にわかりやすく伝えることにしているのですが、その原音を結構大きくミックスします。

現地でしゃべっているニュアンスをより伝えるために、なるべくその声を伝えたい。

意味は、最低限伝わればいいというポリシーです。

 

 

さいごに!

今回、倍音という言葉が出てきましたが、ここで本をご紹介!

その名もズバリ「倍音」(尺八演奏家 中村明一著)

とても身近にあるのに、いまだその存在が知られず、またほとんど利用されていないもの。あらゆる音の「音色」を作り、深層心理・脳・身体に強い影響を与え、感情や思いを伝えるもの。私たちの聴覚の世界を源から創造しているもの。それが倍音です。(春秋社HPより)

機会があればぜひ!

 

最後まで見ていただき、ありがとうございます。

質問などは、お気軽に当サイト問合せメール

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Mimm 森岡

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