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2021年06月27日

世界ふしぎ発見のMAについて、 その、番外編

世界ふしぎ発見のMAについて、その、番外編

今回、世界ふしぎ発見の話は、ちょっと横に置いておいて、今公開されているドキュメンタリー映画「裏ゾッキ」の裏のお話しを!

 

、、、2020年、9月

まだまだ暑さの残るその日、東京は薄曇りの1日で、時折、激しい雨が降ったりしていた。

 

世界ふしぎ発見のディレクターでもある牧さん(裏ゾッキプロデューサー)から「今度のプロジェクトについて相談がある」

という事で、その日打ち合わせをするために赤坂のカフェにやってきた。

私はお昼をそこで済ませようと、早めに行ってサンドイッチを頬張りながら待つことにした。

(カフェって、ドトールだけどね! ホットラテとミラノサンド最高)

 

少しほっこり過ごして、、待ち合わせの時間ちょうどに、牧さんと制作の清水さんがやってきた。

ちょうど雨は止んでいた。

会うのは久しぶりだったので、近況やコロナ禍のことなど、しばし世間話をする。

 

そして本題に、

今回「ゾッキ」という映画の裏側を、映画にして劇場公開する、その整音ミックスをお願いしたいと。

(「ゾッキ」とは、漫画家 大橋裕之さん原作で、竹中直人さん山田孝之さん斎藤工さんの3監督で作るオムニバス?映画)

なんと!とてもやりがいのある、楽しみな依頼だった。

 

しかしまてよ、と

今までのメイキングやドキュメンタリー映像の音に関しての印象といえば、小型カメラについているカメラマイクで撮ってきたノイズ(不必要な音)が多い聞きづらい音、というもの。

そんな状態で撮影された音を映画館で、大音量で、聴くことの出来る音になるのか、、、。

 

「これは大変な事だぞー」(裏ゾッキ 水野さん風口調で)

 

途方もない旅になる覚悟を決めなければいけないと思った。

 

また私自身、劇場用のミックスの経験は数えるほどしかない。

たまに映画のミックスをしているが、自主制作ものなど映画館だけの上映ではないものが多いため、いつものMAスタジオでミックスしていました。

しかし、今回「映画」です。劇場メインの作品です。

劇場独特の、特性があります。

 

約15年前、私は劇場用のミックスを初めて行ったのですが、その際いつも使い慣れているMAスタジオでミックスすることを決断しました。

その劇場独特の特性は分かっていたつもり、でした。

いつものMAスタジオの音の方が、細かな調整ができるはず!

 

しかし、試写を見た時にその音の違い(ミックスのまずさ)に愕然としました。

この試写は、ミックスチェックのために用意してもらったものなので、

その後、手直しの機会を与えてもらいましたが、それでも満足するものに結果できませんでした。

(その時は、もちろん自分なりに納得してましたが、その後の経験で、未熟なミックスだったと自覚させられました)

 

なので今回、劇場用の音響が再現できるスタジオでミックスさせていただくことが最善だと思い提案させていただきました。

必要な音声を収録できているわけではない映像の音が、どこまで劇場で再現できるのかを事前に確認して作業したかったからです。

自分の経験値のなさを汲んでいただき、ミックス作業に入る前に、スタジオで確認させていただく機会が欲しいことも承諾していただきました。

牧さんに感謝です。

 

その数ヶ月後、

まず、裏ゾッキのショートムービーを少しずつ公開していくことになります。

そこで私ははじめて、収録されている素材に対面していくわけですが、、、

「これは大変な事だぞー」(裏ゾッキ 水野さん風口調で、part2)

 

予想していたことですが、

撮影現場というものは、たくさんの人達がいます。たくさんの機材があります。たくさんの関係ないものもあります。

マイクというものは、その全てを収録します。

ちょっと技術的な表現になりますが、指向性をつけて、欲しい音にマイクを近づけない限り、そこにある音全てを収録します。

カメラがズームアップして、ある被写体によった映像を写していても、マイクはカメラについています。

その周辺全てを収録します。

(そういうものなのです。映像を作る方に認識していただきたい!このことは。

マイクが付いていれば、欲しい音が収録できているというわけではないのです)

だから撮影するときは、カメラと音声は別々に収録することがベストの選択になります。

 

しかし今回、篠原監督が切り取った映像はほぼすべて、なんとかなる、ものでした。

というか、そこに映る空気みたいなものを切り取っているので、音声は補助的に支えていればよく、神経質に「クリーンにしなければ伝わらない」とゴリゴリに処理しなくてもいい感じでした。

 

それでも、映像に写っていない音も入っていますので、ワンカットずついらない音を消していきました。

このショートムービーの作業は、映画「裏ゾッキ」のちょうど予行練習として最適だったかもしれません。

作品としての方向性も見る事ができたので!

 

いっぱい作りましたね。

Twitterでも、告知していましたが、

 

ドキュメンタリータッチに始めたつもりでしたが、文才のなさに途中でいつもお通りに戻るという、、、。

無駄に長くなってしまいました。

 

次回、映画「裏ゾッキ」本編の整音の進め方を技術的な面の含め、話していこうと思います。

 

最近、予期せぬ各方面の方達にこのブログのことを読んでいただいているようで、

恥ずかしいやら、嬉しいやら、不思議な感情を抱いています。

 

映像に、こんなこと思いながら、録音したりミックスしたりしているおじさんがいるという感じでお送りしています。

気軽に、覗きにきてください。

 

最後まで見ていただき、ありがとうございます。

質問などは、お気軽に当サイト問合せメールか

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Mimm 森岡

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