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2021年07月09日

世界ふしぎ発見のMAについて、 その、番外編の、その2

(このタイトル、訳わかんない)

 

今回は、「裏ゾッキ」の作業の流れを話していきたいと思います。

 

「裏ゾッキ」は、最終的にステレオで仕上げる事に決まりましたので、整音は自宅の作業部屋でいつものシステムで行うことにしました。

変えたのは、モニターレベルだけです。

ちょっと大きめにして、というより結構大きめにして、少し暗くして、擬似映画館用音響にして作業しました。

作業する位置も、別にテーブルを用意して少し後ろ目でエディットをしていたのですが、PCモニターの位置を変える事ができず、すぐにやめてしまいました。

(映画館の音響は、規格があるので音量だけ大きくすればいいわけではないのですが、そこは耳でのチューニングでカバーするしかないかなと)

 

大きな音で作業しているので、家族は大迷惑だったでしょうが、文句も言われず作業する事ができました。感謝!

たまに、子供が入ってきて「え、ゾッキって何?」と、「Yummy」に集まるお母さま方のようなことを言ってきたりしましたが、

「古本屋の業界用語だって」とそのまんま返しました。「ふ〜ん」

 

前回、ショートムービーの作業をたくさんしてきた話をしましたが、劇場版はいちから、整音しなおしました。

理由は、ショートムービーはテレビやネットなどでの公開なので、その時の整音(音質や音量感)が必ずしも劇場用として適切ではないと思うので、その手直しをしながら進めるより、新規に作業する方がスピード感や音質面(ここでいう音質とはジェネレーションの問題)で優位だと思ったからです。

 

といっても、とんでもなく長い時間です。

自分がメイキング映像を見る時には、長い方が嬉しいんですけどね。

 

とまず、完璧にこの業界に興味のある方向けの話になっていくのですが、

2021年明けてから、まず最初の映像とその音のデータを受け取りますした。

映像はmp4で、音声データはOMFでいただきました。

それを音声編集ソフトのProTools(AVID)に取り込んで整音していきます。

(OMFについては、こちらを参照ください)

OMFの内容は、映像の現場音、仮ミックスの音楽、仮のナレーションです。

この時は、まだ松井玲奈さんのナレーション収録は行われていないので、篠原監督自身による貴重なナレーションが入っています。

音楽に関してもまだ仮ミックスの状態で、入れる位置などもまだ確定していない状態です。

 

そのためまず、現場音の整音に集中して進めていくことにしました。

 

最初にすることは、各音声トラックの把握と分類です。

私は、聞かせたいしゃべりがある現場音と雰囲気を伝える現場音のざっと二つに分けます。

また、ステレオマイクで収録されているしゃべりの部分は、どちらのマイクにその喋りがより状態良く入っているかを確かめて、そのトラックのみを使います。

しゃべりに関しては、基本モノラル(センター)で出しました。

整音していくうちにステレオで出した方がいいと判断した場合には、その時にあらためて素材を持ってきます。

なので、大元のOMFはいただいた状態のまま残しておきます。

 

この時、今回のように仮ナレが入っているとすごく助かります。

めちゃくちゃ喋っているのに、しゃべりが全然聞こえてこないシーンがあった場合、聞こえるようにしなくてはいけないのか、聞こえなくてもいいものなのか、の判断が瞬時にできるので、作業効率がすごくいいです。内容の把握も断然にしやすいですし。

 

と、トラックの整理が終わったら、まず、聞かせたい現場音を頭(映像のはじめ)から粛々と整音していきます。

 

この時の整音のメインの作業は、しゃべり以外のノイズ(映像に映っていない、いらない音など)を取ることです。

ここで、RX(iZotope)の出番!

というか、本当にRXが無いと、ここまでの処理はできなかったかもしれません。

RXのある時代に生まれてよかった!(数年前までなかったですけどね、、、)

 

で、一例「Yummy」の常連さんたちのあるシーン

 

 

オレンジの部分が音のあるところです。

処理前の左の画像は、全体的にオレンジになっています。明るいところが、より音が大きいところ、つまり喋っているところです。

真ん中の丸で囲んだところは、実は喋っていないところなのでその部分がしっかりレベルが下がるように調整します。

このシーンは、見えないところで歩いたり、配膳しているシーンなので、しゃべり以外にたくさん音が入っています。

左の丸いところは、スプーンか何かを置く音がかなり大きな音で収録されています。

しかも、その時喋っています。

スプーンを置く音は、やはり無い方がいいので、その音は除去しました。

と、簡単に、、では無いですが、RX(iZotope)を使って波形を見ながら、精度高く整音できる時代になったのだなーと感慨にふける今日この頃。

「昔は、6mmというテープをハサミで切ってスプライシングテープで繋げていた時代もあったんだぞー」と、夕暮れの縁側でロッキングチェアーに揺られながら、孫に話している自分がいる感覚です。(よーわからんけど、)

 

シーンによっては、本当に一つ一つの音を消していく作業を延々とやっていきます。

長い時間をかけて作業する事ができましたので、RXの使い方を勉強しながら、いままでやってこなかったような処理も試す事が出来て、RXの使い方がより深まった感じがしました。RX(iZotope)に感謝!

 

と、さっきからRX(iZotope)を持ち上げていますが、iZotope社から何ももらっていませんので、、、

むしろ今回の作業を行って、その後、iZotopeのほぼ全てのプラグインを買ってしまいました。

(いままで、ちょっと古いバージョンを使っていたこともあったので、感謝の意味もこめて)

 

で、

ミックスを行うスタジオを使って打ち合わせが行われるので、そのタイミングに向けて整音作業を終わらせるスケジュールで進めていきました。

整音を完璧にしてスタジオでのチェックを迎える事が、今後のフローの大きな分岐点になると自分的には思っていたので。

(劇場版の経験値の無さの葛藤)

 

しかし、それとは別のとてつもなく、大きな問題が起こってしましました。

 

緊急事態宣言の延長

 

「裏ゾッキ」の裏の人間も影響を受けることになったのです。

 

あーーー、今回はここまで、

 

最後まで見ていただき、ありがとうございます。

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Mimm 森岡

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